ご無沙汰です2016年08月17日 09時20分33秒

8年と2か月ほど放置しておりました。...よく残ってたものだ(-_-;

IDとパスワードを紛失してしまっておりプロバイダさんにお手数をお掛けしてしまいました。対応してくださった担当者の方々、どうもありがとうございました。

邦画「シン・ゴジラ」の感想 (ネタバレあり)2016年08月17日 17時36分49秒

私個人の感想をとりとめなく書いていきます。
ネタバレしてますので、まだこの映画をご覧になられていない方はこの先は読まれずに、できるだけ予備知識なしで映画館に鑑賞に行かれますことをお勧め致します。

書いてることが矛盾してたり自分へのブーメランになってたりかもですが、そこは何卒ご容赦を。


ヘンにネタバレや人の評価でバイアスをかけられる前に、どのようであれまずは自身の目で見届けたいと公開初日の仕事帰りに初鑑賞。
開幕すぐに話が動き出し、あっという間の二時間でした。



・矢口さん周りや巨災対、自衛隊、はたらく車
 さらにまとまりがつかなくなるので、これらあたりに関連しては割愛。

・アクアラインの崩落事故、あの車の当事者のあわて方が自分でもそうなるだろなとけっこうリアルに感じたあたりで早くも話に引き込まれてました。

・大河内内閣ならびに政府関係者、会議等
 われわれ観客は初鑑賞であっても「巨大不明生物(ゴジラ)がいる」ということは認識しているので、政府の初期対応にダメ出しをしがちですが、面子が誰であれ「想定外」な事案なら概ねああなるのではないかと想像ができます。
 実際はもっとグダグダであんな程度じゃすまないであろう「想定外なゆえの初期対応の遅れ」「会議に次ぐ会議に時間をとられて対応が遅れている様子」がテンポよくスピーディーに描写されていて面白かったです。

 大河内内閣は超優秀ではないかもだけど、どの閣僚も資質のある人たちばかりで最善を尽くしているかと。
 各大臣のモデルはいたかもだけど、そのまま特定の政党がモデルというわけでもなかったように思います。そのあたりはどうでもいい要素というか、どの政党の政府でも対応の大枠はおそらく変わらないのではというか。
 未曾有の事態に足を引っ張り合う与党野党なんて「ゴジラ映画」においてわざわざ尺を割いてもらってまで観たいシーンじゃない。 「紙爆弾」云々のセリフで野党の存在は想像できましたし、その描写だけで納得して先に進めるテンポが心地よい。


・「日本はまだまだやれる」
 なんとかしようと皆で協力して自主的に努力を重ねて最善を尽くして事にあたる。
 私はすごいグッときたのですが、批判を受けてる描写でもあったりで...
 受け取り方が人それぞれ様々でむずかしいです。
 

・丸子橋が降ってくるシーンのド迫力!
 パシフィック・リムで海岸にて霧の中からジプシー・デンジャーが現れて膝から崩れ落ちるシーンと同じくらいに毎回目を奪われる


・ゴジラの熱線放射~火の海の場面
 作中において最も幻想的で色彩鮮やかで美しく、ゆえに悲壮感、絶望感が半端ない。
 地下に逃げ込んだ住民もまず助からなかったと思える描写で、とんでもない数の犠牲者が出たであろうことは想像に難くなくて...。
 茫然と横なぎビームを見てて、その角度からふと思い至った途端に画面が切り替わって映る閣僚避難用ヘリ、ビーム放射音が甲高くなっていって、え、やばい、あかんそれあかんてあかんって「ドカーン」......連さん...柄本さん...うっわどないすんのこれからと唖然


・カヨコさんはキーパーソン
 牧元教授の情報、構造解析図の提供、米国大統領への働きかけによるカウント24時間停止への決め手となる貢献etc.
 「40代での大統領当選」が嘘くさい・ありえるかい!と受け取ったなら興ざめないし苦笑せざるおえないでしょうが、「40代での女性大統領」の可能性が絵空事ではないという人物背景を受け入れて観るなら、及ぼせる影響力、己の夢の可能性を自ら捨てる選択への逡巡と決断もずっしりと重みを増して受け取れます。石原さとみさんが役者不足だとは私は全く感じませんでした。


・熱核兵器使用の国連決議
 「クソ!遠いアジアの島国のことだと思って、無茶苦茶言いやがる!」
 「たとえここがニューヨークであっても、彼らは同じ決断をするそうだ」
 ここのセリフは巧いと思った。
 核を使用されるにあたる側の正直な心情も遠慮なく示し、すかさず使用を決めるにあたる側へのフォローもしてみせている。と同時に、当然それが自分とこでも同じ判断するよね?当然同じだよね?と問うている。


・この国は愛されているわね、空軍・海兵隊から志願者続出


・ヤシオリ作戦はオークション終了待ちの心境みたいな?
 血液凝固剤注入シーンの注入率の読み上げを聞きながら黙々と待つハラハラ感。あの十分過ぎる心臓への悪さ。
 ここでしょうもない茶々入れやがったら承知せんぞ!?って感じになってる場面で、おバカなヒロインやおバカキャラはそもそもおらず、主要キャラが無理矢理にとってつけたようなミスもせず、どこぞの国や反勢力組織が邪魔しにきたりもせず、注入を終えてさあはたして巨災対の計算どおり効果を発揮するのか?ゴジラ凍結に成功するのか!??て点それだけに集中してハラハラできることの爽快感!
 オークション終了間際の落札額を釣り上げるための高値更新≒サスペンス度を増量するためだけの作劇上の定番展開はこの作品には不要。なくて嬉しい。



作品全体を通して、

 ・ひとこと、一場面だけでもあれば理解・納得・脳内補足ができる描写を各々きちんと押さえて入れてくれているので、不要な引っ掛かりを残さずに先に進める

・作劇上必要な場合以外においては、ゴジラのエネルギー予想しかり、スパコン解析しかり、ほとんどの要素で引っ張らずに即座にどうなったかが提示されるのでストレスフリーでわかりやすかった

・都合のいい展開やツッコミどころが多々あるのなんて、庵野総監督をはじめ制作陣はそんなのは当然わかってて検討を済ませたうえでやってはると思える。



とにかく面白かった!

こういう作り有りなんや!と(歓喜)

 自分が好きな作品であってもこれまで感じていたモヤモヤの正体が解明、無意識にセオリーだからと思い込んでいた、恋愛要素、家族愛、その他の作劇上の黄金スタイル、タレントやアイドルの起用、主題歌コラボ等々、これらを無理に盛り込まずとも面白さ勝負で客を呼べる作品が成立することを、特撮怪獣映画においてよくぞ示してくれました。

 もし矢口とカヨコが恋人設定であったとしたら、観客動員数は下手すると実際の半分以下というのがありえたかもしれないと思う。或いは逆により一般受けして実際以上に大ヒットしていたかもだけど...おそらくそれはないと思う。

 あくまでも作劇の一例であって、シン・ゴジラのスタイルがスタンダードスタイルと化するということはまずないと思います。ですが間違いなく邦画の、創作の何かを確実に変えた作品だと。



・続編があるとするなら 
ゴジラが動き出した途端カウント再開 → 熱核兵器使用か!?の流れをどう処理するのか?

・各国ごとのリメイク版シン・ゴジラが観てみたい。
自国を舞台に巨大不明生物が出現した際に政府の対応は?危機管理は?自国首都への熱核攻撃実行の有無は?